障害者のグループホームに入るために 記録

グループホームにたどり着く日記

入所してから

 

「がんばるから」という言葉を最後に別れて、泣かないはずがない。

 

だけど、さっきまでは入所を

心待ちにしていて、きっと清々しい毎日に

きっとなるだろうと思っていた。

「普通の生活」が当たり前にできることを

本当に望んでいたし、

そんな生活はきっと経験したことがないから

どんなに素晴らしいことだろうと

明日からがキラキラしていたのに。

 

ぜんぜん違っていた。

 

家に着いたら、まだ長男のいた形跡があって

散らかしたミニカーや雑誌

リュックを入れていたケース

洗濯から乾いた服

 

その一つ一つが愛おしい。

 

もう、返事を何度もしなくていいし

トイレを流すのも気にしなくていい。

座ってご飯も食べられる。

騒音もないし、何の気遣いもいらない。

 

なのに辛い。

涙が止まらない。

 

過度に緊張してきた神経が

急激に解放されて、だるさが押し寄せてくる。

心も身体も軽くならない。

 

こんな精神状態になるとは

まったく思っていなかったし

頭痛が3日も続いてしまった。

 

 

入所の日

 

入所当日を迎えた。

 

荷物をまとめて、午後の出発まで

いつもと変わらない1日を過ごした。

 

ゴロゴロして、iPadYouTubeを見て

お昼ごはんとおやつを食べて。

 

私は出かけるギリギリまで

荷物の整理に追われた。

 

夕方、車に乗って出発した。

本人は目の前の「車に乗る」ことで

ワクワクしていて、

先のことは頭にはないようだった。

 

わたしの実家によって、

大好きだった祖父の仏壇に手を合わせて

祖母とさようならをして

施設へ向かった。

30分くらいのドライブは

いつもと変わらない姿で

エンジンの音を楽しんでいた。

 

施設に到着し、部屋に荷物を運び

簡単な手続きをすませて、

別れる時が来た。

 

本人は、急に大声で泣き出し、

さみしい、家にいたいと言った。

それでも、つかんだ手を離させて

フロアを出た。

扉が締まる寸前に

「がんばるから」と声が出て聞こえた。

 

 

涙が出た。

入所まで その3

 

3連休の最終日の夕方に

入所が決まったので

連休中はとにかく準備に追われた。

 

入所後の通所については、

送迎は難しいとのことで

しばらくは施設と通所先を

1人で行き来することになる。

 

元々ショートステイを利用しているので、

場所や駅からの道は知っていて

電車を乗り間違えなければ

1人で行ける。

それでも、新しい環境は

不安でいっぱいだろうし

疲労も相当だろう。

 

その週は私も送迎ができそうにないので

1週間ずらすことも本人に伝えたけれど

「すぐに行きたい」との返事。

 

なので、準備の合間に、通所の練習をした。

その後でバスに乗りたいと言うので

少し遠回りをするコースで

乗りたい車両を待ったりして

2時間くらい乗った。

 

うん

きっと大丈夫。

 

 

入所まで その2

 

入所の日が延期になるという連絡があった翌日、

3連休の最終日、夕方から

体験入所になると連絡が来た。

 

体験?

 

と言うのも気になったが、

施設とか法人の理由があるのだろう。

 

体験入所をして、数日後に担当者会議を開き

そこで再度本人の意思確認をするとのこと。

 

いや待て。

絶対に、「帰りたい」「入所やめた」

と言うに決まっている。

今回、入所するのは、本人の意思はあったけど

元々、想像力はないし、

こんなはずじゃなかったとか、

他の利用者さんが怖いとか

絶対にある。

 

本人が、入所の生活に慣れて

居心地がよくなるには

相当の年数がかかると思っている。

 

本人の意思確認を

どう聞き出して、どう持っていくのか

少し不安な入所になりそうだ。

入所まで

 

本人の施設入所の意思確認ができたところで

すぐに契約になるかと思っていたが

だいぶ時間がかかった。

 

 

その間も家の物、特に水回りを破壊している。

ガタついている玄関扉の開閉も繰り返す。

 

周り近所からのクレームもある。

 

外で帰宅途中で、前を自転車が横切って

怒って大声を出して、傘を折って

そんな姿があることも知った。

 

楽しみが目の前にあっても

怒りが込み上げてくれば止められない。

 

親ではすでに立て直しができないほどになっていて

それは支援側でも共有されていたので

待つしかなかった。

 

本人の見学と意思確認から

2ヶ月半。

また先延ばしになる連絡があった翌日に

連休最終日の夕方に入所可能の連絡が来た。

 

 

 

 

 

 

 

本人の意思確認

 

夏の間に本人の施設見学があった。

私から見れば、施設も古いし

お風呂場や洗濯機はカビだらけ。

個室のエアコンもかなり汚れていて

壁や床も剥がれている。

 

リビングの空気清浄機は、

壊れて使えないのだそう。

 

それでも、ベッドが1つ、簡単な机の部屋は

自分だけの空間になる。

長男は、すごいすごい!と繰り返して

とても気に入ったようだ。

 

施設の担当職員と、会話はチグハグだけど

聞かれたことに一生懸命に答えてた。

 

フロアで使う掃除機を見つけて

「自分専用の掃除機が必要だ」

と、自分都合の思い込みが入ってしまい

そこから今に至るまで、それがモチベーションになっている。

 

本人の意思は

「ここで暮らしたい」

 

言葉ではっきり伝えたので

本人の意思確認はこれでできたと

見なされたはず。

 

 

入所施設の見学

親だけで見学をした。

はじめは本人も一緒の予定だったが

まず親がどう感じるか、

入所の意思確認のための第一段階。

我が子に障害があっても

やはりいろいろな重度の障害者を

目の当たりにして、引いてしまう親は

いるのだと言う。

支援学校で見てきた、と言っても

通っている事業所でもみんな障害がある

と言っても、

学校や日中活動と、生活の場では印象が変わる。

グループホームも区分5や6の人が暮らしているところもある。

ただ、やはりグループホームだと休日の活動はどうしているのだろうとは思う。

さて、見学して、大丈夫だと思った。

職員が男性が多く、ユニットタイプ。

それだけで十分だ。

グループホームの体験では、

夜間は女性一人の対応だったから。

次は本人への通知と意思確認をして

本人の見学だ。